#186 君は女子大生と銭湯に入りたいですか

寺山修司の「この世の夢」未遂事件を知ってしまったボク

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 このまえ、趣味のよい友人だけを集めて、 仲間うちでひそかにビデオを見ました。ひっひっひ。

 というと、君は、もうアレしか想像できないと思うけれど、残念でした。 18禁ものじゃないの。

 「初恋地獄編」でした。監督は、羽仁 進。脚本は、寺山修司です。
 みんな、けっこう感動してたよ。

 これは、いまは幻のATGの作品なんだけど、いま見ても、 まったく中古品的でなく、それはすごい。
 もう、20年近くなるというのに、ね。

 この「初恋地獄編」のなかには、かわいい少女が登場するんだけど、 それがなんと、羽仁 進の製品「羽仁未央」ちゃん。
 羽仁未央は、もう立派すぎる大人になっているから、そこにおいてのみ、 この作品は、歳月を感じさせるのです。

 ということで、今日の話題は、寺山修司です。

 まずプロローグ。

 いまどき政治家の話なんて、1万円くれたってしたくないんだけれど、 でも3万円くれたら、しちゃうかも知れない。

 では、するからね。3万円ちょうだい。

 社民党に、中川智子とかいう女性の代議士さんが、います。 べつに「さんづけ」なんかにはしたくないけれど、なんせ3万円もらえるんだから、 「さん」をつけちゃうぞ。

 彼女は、鶴見短大に在学中に、学園祭の実行委員をやりました。
 それで、誰を呼んだらいいのかという事で、学生からアンケートをとり、 つぎつぎと交渉をしていったんだそうです。

 まず、大江健三郎に話をもちかけ、「僕は、若い女の子のまえへ出ると、 どもるから」と断られ,エトセトラエトセトラがあって, 第8位にランクされている寺山修司のところへ,お願いに参上しました。

「講師料も,あまりないんですが」という彼女に対して、寺山シューチャンは、 「一円もいらない。そのかわり、ピチピチの女子大生20人といっしょに 銭湯に入りたい」
 ふっふっふ。「マッチ擦るつかのまの海に霧が深くて、 身を捨つるほどの祖国なんかない」に決まっているけれど、 女子大生のこととなると、マッチを擦るより、ナニをこすりたいのでしょ、寺山くん?

それにしても、臆面もなくそういうリクエストをする寺山くんって、 カワユイね。
 夏の湘南海岸か、赤坂プリンスホテルのプールへ行けば、いっけんピチピチ、 中味はビチビチのギャルが、ゴミのように転がっているのに、さ。

 どこまでが真実かは永遠の謎だけど、寺山くんは、以前、「覗き」の疑惑で、 逮捕されていますから、もともと、そういうアモラルな行為が好きなんだ。

 でも、威張るわけじゃないけど、ぼくだって、 「好きか」「嫌いか」の二者択一を迫られたら、「好き」を選択するよ。
 でも「好き」だからといって、「即実行」はしない。そこが、 ぼくの優美にして隠微な欠点というべきでしょうね。

 で、その寺チャンの講演料代わりの入浴は、実現したかというと、しなかった。 そして、彼は、あえなくも死んでしまったのです。 さそがし、心残りだっでしょう。
 いまさら時期を逸しているとはいえ、心から、ご冥福を祈ってみようかな。

 さて、その約束不履行でお利口さんの女子大生・中川智子さんは、 その後、宝塚市で市民運動をして、諸般の事情から代議士になってしまいました。
 約束不履行という前科からすれば、もっともふさわしい職業についたことは、 火を見るよりも明白です。アッパレ!

 その中川さん、高校生時代は図書館に入り浸りで、太宰治に傾倒し、 青森の斜陽館へまでもお出かけしているそうです。
 好きな作家は、太宰のほかでは、壇一雄、芥川龍之介。 そして村上春樹も大好きなんだって。

 このほど、あの「つげ義春」の「ねじ式」の映画が完成したけれど、 きっと「ねじ式」なんかも、好きでしょうね。
 静岡でも、サールナートで上映するらしいのですが、困ったことです。
 だってさーーーーー。
 ぼくは、見たくない。なぜなら、間違いなくウラギラレルもん。
 村上春樹の「風の歌を聴け」、それから、吉本ばななの「キッチン」、 エトエトセトラ、エトセトラ。わが愛する作品の映画化のすべてで、 大いなる失望を味わってきたぼくとしては、なんで、万歳三唱などできませふ。

 どうして、日本の映画監督は、ああも鈍感で、凡庸で、無感性なのかねえ。
 そりゃ、春樹やばななの文体のもつ独特のニュアンスを映像化するのは、 至難の技だし、人によってその具象化の方法は異なるのだろうけれど、それにしても、 映画「風の歌を聴け」、映画「キッチン」のドンクササは、天下一品。

 ぼくは、ネジのようにひねくりかえって、ただただ泣けるのみです。 ウェンウワンウオン。

1998年5月1日

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