FilmImage#207

カナダから「CUBE」とコンドーム

ゲーテも満足する傑作入荷

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このまえ東京に2日間ほど滞留しまして、映画を3本ほど見てきました。

「ウェルカム・トゥ・サラエボ」 ★★★
「CUBE」 ★★
「キャラクター 孤独な人の肖像」 ★★★★

です。

 いずれもアヤメ、カキツバタ。しかし、このなかでゼロオシ(イチオシより、さらによいもの)したいものといえば、文句なしに、オランダ映画「キャラクター 孤独な人の肖像」になります。
 とはいえ、カナダ映画「CUBE」にも、やや捨てがたいものはありました。
 やはり、かのクローネンバーグや、アダム・エゴイヤンや、シンシア・スコットを生んだだけの国ではあります。
 そうそう、変人天才ピアニスト、グレン・グールドだって、いるではありませんか。

 さてさて。
 どういうわけか、このところのぼくは、カナディアン・ラッキーなのですよ(ロッキーのミスプリだと、遅トチリしないでくださいね。あくまで「ラッキー」なんだから)。

 友人の友人であるデザイナーのアンクルJが、所用でカナダへ行くことになり、現地の友人の入れ知恵でゲットしてきてくれたものは、健康のために使わなすぎに注意したいコンドームでした。

 しかししかし、聞いてください。それが、単なるゴム製品ではなく、遊び心199点の珍品だったのです。アンクルJは、こういうことに関して真剣に遊べるス・テ・キなおじさんです。

 さて、そのコンドーム。
 まず一つは、なんとなんと「夜光るコンドーム」。まるで、蛍イカです。
 ・・・・・ということは、当然のこと愛用中は、室内が漆黒の闇であるべきで、「おーい、君はどこへ行ったの?」なんて、創作願いではなく、捜索願いを出さなくてすむシロモノです?
 これって、深夜電力の売れ行きをそぐので、いわば電力会社の天敵ですよねえ?

 それで、アンクルJは、かゆいところでも、かゆくないところでも、他人の股間にすらもしっかり手が届く(?)人でありまして、「使うときには、約1時間ほど日光に当ててください」と、親切なメモがついていました。

 え? えっ? エッ? 1時間?

 するとなんですか、装着したあと、その部分を、日向に曝しておけということなのでしょうか。
 シュールだせ、シュール。

 ・・・・・・ということは、硬化した状態を1時間持続する必要があります。だって、ムラなく焼くためには、そうするほうがいいに決まってるじゃないですか。
 ま、硬直かどうかはおくとしても、とにかくモノを広げて伸ばしておかないと、焼けません。

 いえ、ぼくは、べつに、ダイジョウブですよ、硬直ロングラン。しかし、ですね。長期充血が難しい人だって、この世には、君だけではなくて、もっともっとたくさんいると思います。そう、思いませんか。

 ピンピンピン。ぼくは、突然ピンときました。
 そうだ。これは、製薬会社ファィザーのマーケッティング戦略の陰謀ではないのか。世の善良なファーザーのみなさん、そう思いませんか。

 そこで突然、ぼくの脳裏をかすめたのは、久しく無縁関係を続けてきたドイツ文学。
 いえ、ヘルマン・ヘッセではありません。あの人は、退屈そうに庭いじりをしていればいいのです。
 いえ、ギュンター・グラスでもありません。あの人は、ブリキの太鼓をたたいていればいいのです。

 ぼくの脳裏をかすめたのは、そんなゲテ者ではなくゲーテだったのですよ。ゲーテ。
 彼が、臨終の際に、「もっと光を」とつぶやいたことは、あまりにも有名ですが、ついに謎は解けました。
 おそらく彼は、この夜光るコンドームのことを気にしていたのではないでしょうか。

 さて、ドイツの文豪のことはこのくらいにして、二つめのコンドーム。それは、S・M・L式に表現するなら、LLLLLに該当するような巨大なサイズの製品でした。
 オッ! これこそ、マイ・サイズ・・・なんちゃって。

 しかし、アンクルJいわく、「これは、人間用ではありませんから、ご心配なく」
 エッ? 人間以外にも、こんなもの使う人(?)がいるの? もし、馬さん?
 そうだ。ジム・ジャームッシュが、ニール・ヤングのコンサートツアーをドキュメントした映画「YEAR OF THE HORSE」は、この巨大コンドームと関係があるのかもしれない?

 そして、まだ、あります。
 三つめは、先端に牛とかカバの顔をしたキャップがついていて、なおかつ蛍イカ機能をもったもの。
 おいおい、キャップなんて、そんなものどーすんだよー。
 もっともパッケージには、「これは、ノベルティとして発売しているもので、コンドームではありません。いわば、コンドームの付属品です」と、言い訳がしてありました。
 でも、このジョーダン感覚、憎めませんよねえ。

 最後、四つめは、「TROJAN−ENZ」という正調派。
 「SOFT,GOLDEN COLOURED LATEX CONDOM.TEXTURED WITH DELICATE RIBS.」という説明文がついています。
 あ、もちろんカナダ製ですから、英語とフランス語のバイリンガル。
 ちなみにフランス語では、「CONDOMS LATEX DORES.TEXTURES AVEC DES NERVURES DELICATES」です。

 ふーん、デリケート・リブスねえ。

 ・・・・ということで、ぼくの孤高のコレクションは、着実に充実しています。
 欠けているのは、南米ものかな。
 どなたか、身辺に、ブエノスアイレスやリオデジャネイロなどへ旅行される方がおられましたら、お知らせくださいませ

(1998年10月14日)

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